03 「関西のまちづくり」を考える [まち・みらい倶楽部2010年夏号]

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我が国は、全総・新全総・三全総・四全総・21世紀の国土のグランドデザインへと、大都市圏政策の展開をしてきました。 この間、関西・京阪神圏の人口は減少する一方です。大阪や神戸に本社を置いていた企業の東京への移転が止まりません〔東京への一極集中〕。しかるに関西経済の地盤沈下が叫ばれ悲鳴さえ聞こえる昨今。①将来ビジョンの策定。②関空も含めた交通網の見直しと推進〔ハブ空港として他国に見劣りする国内間都市を結ぶ便がわずか7~8路線。伊丹・神戸空港との政治的調整は不可欠〕。③土地利用の見直し。④税見直しで資金の裏づけのある経済開発。⑤法人税優遇措置導入などによって、企業にとっても・住民にとっても魅力あるまちづくり政策を推し進めなくてはなりません。いま道州制なる発想から政治家の動向も注視されていますが、果たして道州制や大阪都構想がどこまで発展するのか、限りなく不透明なことも事実です。待ったなしの高齢化・少子化社会構造は押し寄せています。いまこそPPP〔民間と公共などの連携〕において 、①大都市圏としての主張がどこにあるのか? ②広域行政と地方行政との関係がどうあるべきか? などの大局的な考察が必要です。関西のまちづくりは、①減便一方の公共バス路線便に歯止めをかける。②自転車道路の整備。③環境整備の促進〔緑地化増だけでなく、排ガスを減少させる太陽光・太陽熱などの利用による環境と取り組む〕。④ミクストハウジングの推進と整備〔補助金導入などによる空き部屋減らし〕。⑤高齢者向け住宅・ケア住宅整備〔要介護者の受け入れ態勢など〕。これらの課題と取り組むとき、関西のまちづくり再生が可能となります。そして関西圏は文化圏であるという歴史的事実を忘れずに将来を語ることです。京都や奈良は千数百年の伝統工芸などが伝承されています。また大阪・堺市も千利休に代表される茶の文化などもあります。シャープ優遇誘致に連動するIT関連企業の充実と環境分野企業育成誘致や〔文化年〕 構想のようなものを地域として発展させることこそ、関西圏の活性化に繋がります。そのためには、不足している開かれた産学官民の情報交流会を各々の地域内に充実させ、民間企業やNPOを始めとする産学官民全体にとって魅力あるまちづくりを目指すことが求められます。

 

代表理事 塗田敏夫