[2012年度] 5月19日 平成24年度 第2回まちづくり講座

2012_0519_05

~NPOと行政の連携・実践報告~

「まちづくり講座」第2部は、「NPOと行政の連携・実践報告」をテーマとする講演会。講師は、理事の杢 千秋氏(特定非営利活動法人 日本福祉文化研究センター 代表理事)です。講演では、介護保険制度の中から、福祉分野における守秘義務とサービス情報の可視化についての問題提起を行っています。介護保険制度導入の背景には、急速な高齢化の進展と介護ニーズの増大があり、規制緩和により多様な主体(事業主)の参入と事業者間の競争が促進されています。2006(平成18)年度~2011(平成23)年度にかけて行われた介護サービス情報の公表の制度は、一定の成果をあげましたが、調査費用が介護サービス事業者の介護報酬の中から支払われているという制度的な矛盾があり、他の福祉サービス第三者評価事業や、地域密着型サービスの外部評価についても同様な問題を抱えています。福祉サービス関連の行政とのかかわりの中で、重要なポイントは守秘義務に関する条項です。しかし、利用者(消費者)の必要とする情報が、個人情報の保護という障壁(バリア)や、事業所の質に関する情報があまりにも画一的で、義務的にしか伝わってこないという限界が見えてきます。他方、地方分権一括法の成立や地域福祉・地域密着(地方自治)の推進が進み、行政は「情報の可視化」に力を入れていきます。地域福祉計画の策定にあたっては公聴会を開き、住民の意見も取り入れる仕組み、パブリックコメントが求められます。大阪市においては、大阪市総合計画審議会の委員を募集(公募)したり、事業仕分けに一般人の意見を求めることも推進しています。サービスの利用者(市民)に対して、情報を提供し、施策を作り上げるプロセスにも住民の参加意識が強く求められています。情報格差(情報の非対称性)の解消や、申請主義に基づく制度の利用し難さへの対応、個人情報の保護などの課題も多く、今後、行政と利用者の中立の立場から関わりを求められます。(社)関西まちづくり協議会として、今後、中間支援や権利擁護的な役割が増えることを祈念し、講演会の報告とさせて頂きます。

 

2012_0519_072012_0519_062012_0519_08