10 ほんまもんの「まちづくり活動」 [まち・みらい倶楽部2012年秋号]

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文科省は5日付けで、いじめ問題に対する総合的な方針をまとめました。つまり、命にかかわる恐れがある案件を国に報告させ、教育委員会を指導するなど、「現場まかせ」にせず、国が主導する姿勢です。具体的には、①全国の公立中学校すべてにスクールカウンセラーを配置する考えを示しました。②全国に約800名のスクールソーシャルワーカーの倍増③教員の研修の充実④いじめ防止をテーマにした児童会・生徒会活動の促進などです。
しかし、これらの対応策が迅速に進められたとしても、「いじめ・暴力対応策」が奏功するのに、時間がかかります。ここで私は提起したく考えます。それは「学校の法化」です。つまり、加害者が教員あるいは生徒であれ、暴力行為のイジメに対しては、通常の社会における同じ基準で対応することが必要です。暴力の被害があったり、暴力をみかけたりしたならば、学校の治外法権を唱えることなく、直接に警察へ通報することを、教員・生徒・保護者ともに行うことです。万が一にでも学校関係者が通報をさまたげることなどあれば、社会常識に照らし合わせて処罰することは当然のことです。社会生活下にあって、暴力に対しては警察を呼ぶのは当たり前なのですから、「警察を呼ぶ」「告訴する」と言った社会生活で当たり前のことが、いままで教育分野においては、否定もしくは黙殺されてきたことを強く反省しなくてはなりません。
また大津市でのイジメ問題が社会的にクローズアップされてきた昨今、教育長名により「いじめを絶対に許さない」趣旨の文書が数多く全国的に配布されました。しかし、どのように具体的な形で配布・活用をされたのでしょうか?本来「配布」の意味するところは、大きく考えて二つにポイントがあります。
・ひとつには、児童生徒を対象として、先生が読み聞かせ、みんなで共に考える授業時間をもってするもの。また保護者に対しては全校あるいはクラス単位で保護者会の場を設けて、一緒に考える取り組みをされる広報活動まで踏み込んで行われなければ意味がありません。
・もうひとつには、そもそも論でありますが、先生方が先生方同士との意見交換の場を学校単位でもたれて、この通知を「配布」なさる前に、「その意味するところを」共有された上で取り組まれるべきで重要な点にあります。
これらの二つのポイント・意義を踏まないままでは、どのように立派な内容が書かれた「通知」を、事務的に配布しても「単に配布」したということで終わりです。
そして何よりも迅速にすることは、「いじめの芽」は絶対に摘み取らなければならない。教職員の方々が多忙だということも事実でしょう。しかし生徒指導をより完璧にすることが求められているのが「教育の場」なのです。「まあいいか」「この辺りで許されるか」ではダメなのです。人手が足りない、アドバイス役が不足などの場合においては、学校と行政双方が、地域の人々の協力をもっと組織的に求められてはいかがでしょう。
一例としまして、ほとんどの地域には①防犯支部の委員さんが②青少年指導員さんが③社会福祉協議会の理事さんたちが④見守り隊さんなどが居られて、地域の安全・安心・まちづくりに従事されている組織があります。個人参加などの個別受け入れが学校側として大変であるならば、組織参加の形でもって、これらの地域における組織の力をもっといままで以上に活用しない手はありません。これら組織に属して活躍されている多くの保護者のみなさんはポランティア活動形態で参画されています。これこそ学校側と地域が連携して、明るいまちづくり・教育への道を切り開ける原動力となりましょう。ぜひとも、地域が一体となって「いじめや暴力などの防止」に取り組み、明るい社会を築いて行こうではありませんか。
まちづくりの原点でもあります。地域が一体化して「いじめ・暴力防止活動」と取り組んでこそ、ほんまもん「まちづくり」活動の意義があるのです。

 

代表理事 塗田敏夫