12 天守閣「大移動」 [まち・みらい倶楽部2013年春号]

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わが国では民主党から自民党政権へと転換し、三本の矢と報じられる政策が次々に打ち出され、デフレからの脱却を目指して2%のインフレ経済を目標にした成長戦略が、財政再建案などのうたい文句とともに走り出そうとしている。大阪府も関東圏に比べて地盤沈下が言われて久しく、いま大阪都構想なるものを政治主導でもって推進させようと論議されつつある。果たしてその政治理念がどこまで確立されているかは不透明だが。とにかく大阪府・市の改革とともに、隣の政令都市である堺市も巻き込もうとする勢力と、対峙する政治体制とが今秋に激突するだろう。現実のまちなみに目を向ければ、依然として関西に限らず全国各地・駅前の商店街の店舗はシャッターが下りていることはもはや珍しいことではない。あちらこちら、まるで零細商店の切捨てなのかと思うばかりの惨状でありつづけている。対比して大手スーパーやアウトレットの施設は全国各地で増設につぐ増設・新設である。
この惨状にはあまり中央政府は多くを語っていないように見える。つまりは農業政策・原子力政策・重工業産業政策などを始めとする大看板に比べて、極小と言わざるを得ない地方行政への支援がまだまだ不十分だから。むしろ共栄共存の言葉でもって、零細商店は時代の変革に乗り遅れたならば、コンビニチェーン店舗の一歯車になるなど自ら模索するのが、民主主義社会下にあって当然だと突き放した考え方すらある。
一方で、公共事業に大盤振る舞いの補正予算案が国会を通過した。つまりは、公共事業=公共工事・建設土木関係のことと解釈もできるが。ただでさえ、地域によっては技能が必要とする技術者不足で工期遅れも既定の事実。しかるに三陸海岸の人々は過酷な生活を強いられている。まだまだ官僚組織の縦割り行政対応や、決められない政治が支配し続けている現状は、もはや災害の起きた日から、二年以上経過したにも関わらず、災害地の人々には達成感がない。細々とした「地域復興支援」が主に地域力の民間・ボランティアに支えられていては目標どころか中間地点すら見えないでいる。
前回の主張を再び繰り返そう。私たちは減災・防災のために巨大堤防の建設を再び推進することや、沿岸の港湾施設など早急な整備、ガレキ処理施設の地元設置を急がなければ。もちろん住居や公共施設などの高台移転へ、国や県のより積極的な支援を勧めなければならない。
決して悪政との非難を受けている復興財源を他へ流用することがあってはならない。いかなる些細なものでも東北の復興計画を遮っていないのかを省みるべきである。ここで大阪の首長に提案を。沖縄県民が苦悩する米軍基地を関西空港へと、一度は誘致の提言された方です。大阪のシンボル・誇りでもある大阪城・天守閣を、期間限定ででもいい。
大阪都構想実現のために、大胆な発想でもって大移動なさいませんか?「何もない地を掘って、また埋めるだけでも」活性化するかの歴史的論理がまかり通る現在においては、あながち無謀な「まち起し論」でないかも知れません。

 

代表理事 塗田敏夫