13 どう描きますか [まち・みらい倶楽部2013年夏号]

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「多々」と表現するほうが的確かもしれないけれど、「まちづくりの意義」を話し合い、その方向性を見出したい、とのお誘いが各方面より、ある。もちろん、お茶を飲みながらワイワイガヤガヤと話し合うものも悪くはない。
が・でも・しかし、と追求していきながら、お茶のみ話で「まちづくりの意義」は、立ち止まってしまうことが「多々」ある。その理由は山ほどあるけれど・・・。私たちの「生」をどのように、自分自身で位置づけるか、方向づけるか、を明確にしておかないから起因することが少なくない。つまり政治・宗教を「まちづくり論」の真正面から論じることは、むしろタブー視されるが、自身の中においての主義は、学び・方向性からより多くの知識を得ておきたい。
平たく言えば、私たちの周囲に横たわる考え方として、下記のような夢を持つ人が少なからず居る。
理想郷として、両親の下で子どもたちは成長し、学業を終えたのならば就職する。やがて結婚をして世帯をもって独立するか、子どもの一人が親と一緒に生活をする。つまりは、このような日本人の思い描くライフスタイルで、いままでの社会保障制度下で生活・生計をたててきた。が、このような制度の崩壊が始まりだしている今、社会保障制度改革を、待ったなしで行わなければならない。
特に人口変動が急激に始っているわが国で、〔人口置き換え水準値・2,07〕とのギャップ、そして世代間格差を注視すれば明らかだ。三世代家族の形が従来形の生活保障を維持してきたが、若年層の労働市場が冷え込み、年金生活の親と同居するケースが急増していることも議論を必要とするひとつ。加えて65歳以上の人々が5人に1人という高齢化社会は、わが国の未来と、どう向き合って行けば良いのか? かつての経済成長を復元しょうとするならば、家族制度の在り方やジェンダー規範とを切り離しては成り立たない。いまの政策は女性活用を成長戦略の一環として結び付けているが、受け皿は整備されているのか? 庭や園が皆無の保育所整備を急ごしらえでつくり、待機児童はゼロなどと嘯く自治体すらある。正規職員でなく、安価な労働力としての非正規職員による運営委託がなされている保育所が、果たして安全・安心の子育て場所となりえるのか。はなはだ心細いものと言わざるを得ない。
現在、日本は国際社会から、二年間の猶予を、金融・財政面でもらったことは事実らしい。だからこそグローバル時代に、この社会で生きる人として「まちづくり」と取り組むには、ジェンダー規範を見直し、格差社会の是非を問い、いろいろな機会が均等になるべく社会づくりに、政治主導でもってわが国を変革していくことが望まれるのです。それらの改革なくして「まちづくりの意義」を語っても、お茶のみ話で満足することなく「どう描きますか」を問われているのです。

 

代表理事 塗田敏夫