15 神話の国~秘密はヒミツのまま [まち・みらい倶楽部2014年新春号]

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年末の国会では特定秘密保護法案について、多くの国民の意識が集まり論議されていたが、超特急での法案成立となった。是非については戦後民主主義社会の道を歩んでいるわが国として、その意図するところは「なにか」を、人それぞれが考えなければならないのです。もちろん法案成立の現在ではさらに、「国民として生きるために真実を知ること」こそ、子孫にこの国を託す人として必要なことでしょう。むずかしいことではありません。人々がフランス革命と産業革命以来の300年間を生きてきた中で、「自由」と「主権在民」は絶対的価値のあることなのですから、これからも大切にしたいものです。世界の流れとして「情報公開」の情報を奪われた民衆たちは社会の「あるじ」でなくなってしまい、戦争などの悲惨な歴史的事実が起こってきた体験を念頭において、身近な問題から「自由」を考えてみましょう。
地球環境を考えても、2008年に政府が「1990年比率25%温暖化ガス排出量を削減する」と掲げたのは、国際社会がもつ共通目標と公正な負担分配を前提にしたからにほかなりません。しかるにいまや日本の真剣度はどうでしょうか? 「地球にやさしい」との日本的「あ・い・ま・い・さ」の言葉を鵜呑みにして、温暖化問題を考えて行動していませんか?むしろ「他国が目標も出さずにひきようだ」とか「原発は温暖化対策に必要だ」などとの文言で、結果として環境省と外務省の公報に順応して、「他国のせいで交渉はウヤムヤだ」と国民たちは思っている部分がありませんか?
COP16〔気候変動枠組条約第16回締約国会議〕では、日本政府首脳は「日本はいかなる条件あるいは状況のもとでも、2012年からの京都議定書第二約束期間に基づく削減制約に参加しない」と、3年前のメキシコのカンクンで発言をしました。これは結果として2013年から20年までの失われた8年間となってしまいました。そして、現政府は「攻めの温暖化外交戦略」という言葉で、JCMと途上国への資金援助〔3年間で1.6兆円〕を掲げています。
まとめてみましょう。①洪水・豪雨・台風などによる被害多発の事実は温暖化がなければ高い確率で起こらなかった。②日本は温暖化対策で優れた結果を出してきた。③日本の温暖化対策の技術革新は世界でトップクラス。④「地球にやさしい」言葉のキャンペーンで国民は納得している、などなどの「神話」が横たわっているではありませんか。COP19では東日本大震災による被害に関して世界各国からの同情も多くありました。日本全体が支援を行っている最中ですが、まだまだ不十分ですね。原発事故のこともハッキリとしていません。驚くことに再稼動の方向へと舵をきった政策が出てきています。もっと国民の多くも納得のいく説明がほしいものです。
いま世界の人々は疑問を呈しています。「日本政府の提示している温暖化対策で、未来世代に責任がもてるのでしょうか」などと・・・・・。だからこそ対象として注視されているわが国の温暖化対策を、国民へキッチリと伝えて、「日本がもっとできることがないのか?」を、政治家・官僚から情報公開しなければなりません。見ざる・聞かざる・言わざる主義での「秘密はヒミツのまま」であっては子孫たちへ、難問を先送りするだけになるのではないのでしょうか?

 

代表理事 塗田敏夫