[2013年度] 1月25日 第7回まちづくり講座

2014_0125_02~地域の歴史文化を活かしたまちづくり~

 第7回まちづくり講座を開催しました。今回の講座は、近大姫路大学教育学部助教の河野未央先生を講師に迎え、「地域の歴史文化を活かしたまちづくり」と題する講演と水損史料の復旧作業を実演していただきました。
講演は、河野先生が兵庫県下を中心に取り組まれている「歴史資料を活かしたまちづくり」の事例と大規模自然災害から地域の歴史資料を守るボランティア活動について、ご紹介いただきました。
2014_0125_01はじめに、まちの歴史を「知る」ことについて。兵庫県丹波市春日町の棚原地区において、地区の寺社や古文書などの歴史遺産を保護・継承して後世に伝え、まちづくりを行うために結成された「棚原区パワーアップ事業推進委員会」での取り組みをご紹介いただきました。古文書整理や古文書内容の読解を地区住民と一緒に取り組むことにより、住民の文書に対する保管意識の向上や、地区の歴史に関する内容理解を深めていこうという内容です。地域の歴史を学ぶことが住むまちを知るきっかけとなり、コミュニティの当たり前や日常の喜びを大切にすることを地区住民と一緒に考える取り組みでした。
次に、まちの歴史を「学ぶ」ことについて。地域の歴史を調査できる機関として、博物館や図書館、公文書館といった史料保存機関の活用法をご紹介いただきました。歴史資料の保存施設ではあるが、例えば住宅地図を調べることで土地の変遷を知ることができるなど、自分が欲しい地域の様々な情報を知ることができるため、気軽に足を運び何でも相談し、有効活用して欲しいとのことです。調査機関に「尋ねる」行為が「知」の蓄積となることを学びました。
そして、まちの歴史を「守る」ことについて。地震や津波などの大規模自然災害から地域の「記録」を守る活動の紹介でした。災害後の復興活動として、潮水で水損したり、ヘドロで汚損した史料を専門家とボランティアの人たちが力を合わせて一つひとつ、一枚ずつ丁寧に応急措置を施していく作業や地域の歴史資料が防災対策として役立つことから災害記録を生活資料として保存し、災害から文書を守ろうという取り組みです。
現在、その普及活動として、「水濡れ文書の応急措置(吸水乾燥)ワークショップ」を展開されているとのことでした。
2014_0125_04講演の最後に、「水濡れ史料の吸水乾燥方法」を実演していただきました。和紙で作られた横帳を水で濡らし(水濡れ史料と想定)、吸水乾燥を体験してみようという内容。乾いた和紙では重さが約12g、水で濡らすと38gにもなります。水濡れ和紙を新聞紙で吸水後、ペーパータオルを使って丁寧に両手で均等に荷重をかけて吸水。目安は手で触っても水分が手に移らない状態で、重さは20~25g。吸水作業を繰り返しても重さが変わらなくなれば、これで限界。あとは風通しが良いところで自然乾燥するという流れ。乾燥させるためのスペース確保が課題です。水濡れ和紙を新聞紙で吸水するとき、「インクが和紙に写らないか?」との質問も。神戸新聞の印刷は特殊なインクで写らないとか・・・本当かな?また、「ペーパータオルの吸水は、エコで無い」と学生ボランティアから指摘されたというエピソードも。吸水性が高いセームタオルが繰り返し使えてお奨めだそうです。一度、お試しください。濡れても大丈夫、専門家でなくても応急措置は可能、身近な備品でできることを体験学習しました。
最後に、河野先生から「小学6年生を対象に地域の古文書(風聞など)、絵地図、絵図を活かしたワークショップ」の企画について相談があり、参加者全員で企画づくりのワークショップを行い、アイデア提案しました。
 企画の背景は、小学5年生の子どもたちが6年生に進級する時、歴史の学習をとても楽しみにしているが、6年生になり授業を受けはじめるとトーンダウンする。そこで、子どもたちが歴史に興味を持つきっかけをつくろうと、歴史資料を活かしたワークショップの企画づくりをはじめたそうです。ワークショップの企画づくりは、関まちが得意とするところ。わずか15分のプチ・ワークでしたが楽しい企画のアイデアが提案されました。例えば、ゲーム感覚で楽しめる地域の宝探し。絵地図の現状や風聞(例えば、お化けの話とか)が残る場所を尋ねるまち歩き。地域の人に昔話をお願いしたり、古文書をわかりやすく読んでもらって、紙芝居を作ってみると楽しそう!あるいは、子どもたちが知っている地域の思い出や宝物を持ち寄って、歴史資料の中から探し出す・・・といった子どもたちが興味を持ちそうな提案がありました。昔の衣食住を体験してみるとか。河野先生の参考になったでしょうか。
 今回の講座では、2時間では物足りない内容。とても楽しく、興味深いお話で文書保存の知識や技術を次世代に伝承する大切さを考えるとても良い機会となりました。最後に、今回の企画・調整をして下さった山崎先生、講師の河野先生、実演タイムのご準備等でお世話になりました松下先生に感謝の意を表したいと思います。