17 ゆたかな社会 [まち・みらい倶楽部2014年夏号]

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わたしたちは気づかないまま資本主義社会に生きてきた。現在考えられる最新の社会構造だといえる。しかし〔ゆたかな社会〕は公害を抱え格差社会でもある。なんとかなる論で原発・原発事故の課題も抱え、大震災の対応も明確にならないまま、憲法解釈について深い国民的論議もないけれど、何かが決まって進められている日本国。
わたしたちは一体どこへ向かって、どのように変わっていくべきなのだろう。想像するに子孫へ抱えきれないほどの〔負〕を残しているのかも知れない。技術の進歩が幾多の問題を解決するのだろうか。遠い未来のことなど考えられなくていいから楽観的に〔いま〕を生きていけばいいのだろうか。
ほんの数年間で急激なIT革新によって〔昔より利便性良い〕生活を誰もが営めているのか。電車内を見渡せば、印刷された書物と向かい合う人よりも、片手でケイタイをもち自分独りの世界にドップリと浸かった人々で一杯だ。生成変化しつづける人間が生み出す想念こそ、わたしたちの未来を〔ゆたかな社会〕が築くものだと考えられないのか。
自然界は弱肉強食なのだ。強い者が生き残り弱い者は滅びる。 それが自然界の掟だと言い放てば、世界各地で起きている戦争・紛争で、無数の人々が殺し・殺されている現実を無理からに納得させられよう。しかし地球上に弱いものが存在しているからこそ世界だ。真っ向勝負をしては勝てないものも、困難な場所を選んで生きながらえているではないか。逆境を敵として考えず、むしろ味方である。生きる知恵とはそのようなものだ。
大都会の中にも老舗として小さな商い・技能をもって生きている人々がたくさん居る。大企業の工場群に寄り添って小さな商い・技能をもっている人々がたくさん居る。弱いことこそ生きる条件だと知る〔民〕は少なくない。負けちゃならない。家族・仲間とともに、笑って過ごせる日日をもてる人間であることこそ〔ゆたかな社会〕で生きる資格があるのだから。

 

代表理事 塗田敏夫