18 地方創生 [まち・みらい倶楽部2014年秋号]

18 Members voice

流行り言葉になっているが、日本創生会議・増田寛也座長レポート〔ストップ少子化地方元気戦略〕によって、2040年までに全国各地1800市区町村の半数近い地方自治体が消滅の危機にある、と提言したことにこの言葉が動き出した。わが国の人口は2008年をピークに、少子化と高齢化は自然現象にあるかのよう叫ばれているが、果たして真実はどうなのか。政府は6月に〔骨太の方針〕を閣議決定して50年後に一億人の人口を安定的に維持する目標をたてたが。
そもそも高齢化は福祉と医療の進歩によって現在の社会要因となる。対して少子化はズバリ若年層の経済的な理由に起因している。
後者の経済的理由は、できるだけ正社員を押さえ非正社員を増やす官民の雇用体制が、残業代ゼロ成果主義の規制緩和路線から、正社員労働条件の厳しさが増すばかりだ。同時に非正社員増加は若年層の賃金が押さえられたままにあり、夫婦が理想とする子ども数は2.42人だが、実際の出生率は1.43人であり、仕事・経済的・理由や保育所不足などの制約から、家庭を築いたり子どもを増やすことが困難な現実が横たわっている。
併せて言えば、6月18日に地方医療介護総合確保推進法が国会通過により、年金収入280万円以上の利用者負担を、1割から2割になるなど、高齢者にとっても地方医療介護切り捨て。福祉の分野でも地域包括ケアの概念が、有償ボランティアありきで安上がりケア化している。本来、若年層が介護医療福祉分野で働き手として、家庭がもてるだけの当たり前の労働対価を支払われなければならないのに、非正社員化や賃金体系に決して恵まれているとはいえない。
〔地方創生〕の言葉が独り歩きしてしまって、地方切り捨て・高齢者も若年層も切り捨てという逆方向へと進む可能性もある。まちづくり活動を展開する者として問題提起したい。やはり脱原発によって再生可能エネルギー社会を目指すことで、社会構造を地方・地域分散型の産業・農業構造へと導き、若年層の雇用体制を推進させて、〔少子化〕と〔高齢化〕とに向き合っていく地域民主主義をわが国に育てようではないだろうか。

 

代表理事 塗田敏夫