20 はじまりの道 [まち・みらい倶楽部2015年初夏号]

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いまも昔も孤独な日々を送りたいなどと思う人は少ない。だが恵まれた環境で、なに不自由なく生きられる人ばかりじゃない。とくに高齢化社会になったいま日本全体が抱える課題だ。
歴史を省みれば祖父母や両親の多くは戦争体験者。生前祖父が兵隊さんだった苦労を聞き、進軍ラッパに従いつつ戦禍を生き抜いた父からは、平和の尊さを聞いた。いま女優吉永小百合さんが語り部のように。戦意高揚の文化芸術社会に囲まれ、人々が厳しい道のりを歩んだ時代は過去となり、現代に息を吹き返さなければ良いが。
直近の経済指標は景気上向き判断が日銀から出されたけれど、大型クルーザーが横付して大勢の外国観光客たちに爆買いされて潤う地方都市もある。加えてLCC航空で大都市の繁華街も外国観光客で賑わっている。ほんの数年前まではキタやミナミも閑散としていたのに、ほんまもん繁栄が庶民の日常生活まで及んで来たのかどうか。
いまや、まちづくりの意味は多様化している。各地の震災被害地は難問山積。地方は過疎化拡大。大都市近郊の大規模ニュータウンも、自治会に参加する住民が減り続け役員は高齢化が加速、近隣センターは閉店していく。
やはり多くの課題に向かうに、日本が誇る文化や伝統を生かす健全な民主主義政治が根底になければ、人を魅了する社会を語れない。人と人を紡ぐ地道な努力なしに未来像が描けない。だからこそ私たちの、まちづくりが日本を支え改善すると信じて、草の根運動を展開していくことに。成熟した資本主義社会の未来は明るいと信じるゆえに、子孫に幸せを引き継ことが私たちの役割となる。

 

代表理事 塗田敏夫